LoVe LeTtEr
「貴史、久し振りじゃん。
急に どうしたー?笑」
まるで女の子が そこに居ないかの ように、
香澄が普通に話し掛けて来た。
女の子は、何も言わず、
そのまま ちょこん と 座っている。
首を傾げて俺を見上げる様が、
小動物みたい だった。
「いや、あのさ…。
その子は……?」
視線に耐えかねて そう言うと、
香澄が思い出したように言った。
「そっか。
貴史は会うの、初めて だったっけ。
こいつ…、
リアって いうの」
「…ふーん…」
妙に馴れ馴れしい香澄の態度に
違和感を覚えながらも、とりあえず返事した。
リアって子は、そんな俺を、
穴が開きそうな位、じっ と 見ている。
吸い込まれそうな瞳で見続けて…、
そして また、首を不思議そうに、傾げた。
「…………」
―…やっぱ この子…、ヤベーな…―
俺が さっきと同じ事を考えていると、
リアちゃんが また信じられない位、
人懐っこそうな笑みを浮かべた。
「初めましてー!
葉月リアって いいます~。
よろしくですぅ♪」
…語尾が全部 伸びてる。
だけど声の所為なのか、何なのか…
喋り方も やっぱり、全体的に柔らかい。
彼女を構成してる全てが、さっきからツボ過ぎて……、
…俺は彼女から
目を離せなく なっていた。