LoVe LeTtEr




本当の事を言うと、″彼女″が少し羨ましい。


でも…、実際に お会いした″彼女″は、

醸し出してる雰囲気が景さん そっくりで、

本当に景さんと出会う為だけに生まれて来たような、人だった。


だから、羨ましい気持ちは正直まだ ある…けれど、

嫉妬や妬み みたいな感情は、あの瞬間に消えた。


2人の間には隙間なんて1mmもなくて、その誰も入り込むことが できない感じが とても完成された世界のようで、

それは何だか、踏み込むことを躊躇われるような…

"嫉妬なんて とんでもない"、"自分の邪な気持ちで2人を汚しては いけない"と、

思わされるような、世界なのだ。


あの世界で私は完全な邪魔者で、

嫉妬なんて感情は、強固な2人の絆のシールドに弾き飛ばされるだろう。


…と言うより、そんな感情を持つ事さえ馬鹿らしく感じる…

と言った方が、適切かもしれない。




だから2人の邪魔をする気は毛頭ないし、

邪魔になる感情なら、一生 口に出すことも ない、と…思う。


……そう、思っていた。





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