LoVe LeTtEr
「ヒカリさんっ!?」
鍵は開いていたのに、中の電気は点いていなかった。
薄暗い倉庫の中で、電気を探すよりも何よりも、景さんの名前を呼んでいた。
「ヒカリさん…居るんですよね?
…ヒカリさんっ!?」
…何の音も、聴こえない。
でも、返事は聞こえなかった けれど、
なぜか景さんは ここに居るような…、気が した。
呼びながら電気のスイッチを探して、ようやく倉庫の中の電気を点けた…瞬間、
景さんを見つけた。
景さんは倉庫内で1人、静かに佇んでいた。
いきなり電気が点いたからか、最初は驚いたような顔をしていた けれど、
私の顔を見ると すぐに、いつものように柔らかく微笑んだ。
「ヒカリさんっ!」
もう1度 名前を呼んで、景さんの元に駆け寄る。
「サナ?
ごめんね。
心配 掛けた?」
景さんが信じられない位 優しい口調で言うから、
私は急に泣きそうに なった。
「心配するに決まってるじゃないですか…!」
「…ごめんね」
いつもと違って、謝るばかりの景さん。
困ったように笑って、人を包み込むような優しい口調で そう言うから、
怒る気が、どんどん どんどん失せていく。