LoVe LeTtEr
「あー…、ちょっと休憩!」
長い間パソコンの前で作業していた景さんが、伸びをしながら言った。
「何か飲み物、買って来るー。
…サナは?
何か飲む?」
「いや、私が買って来ますから!
ヒカリさんは…、コーヒーですか?」
「何でも い~よ~。
…つーかサナ、マジで買って来てくれんの?笑
じゃあさ、ついでに みんなの分も買って来てあげてよ」
そう言って、持っていた お財布から1万円札を出した。
「今日、ふっくん事務所で会議だって言ってたから。
…数は適当で いいよ。
余ったら置いといて、好きな人に持ってって貰えば いいし」
「それは いいんですけど…、
でも、景さんの お金は遣えません!」
私が強い口調で1万円札を押し返すと、
景さんは びっくり したように一瞬 目を見開いた。
けれど すぐに、いつもの苦笑を浮かべると、優しく言った。
「…ありがとう。
でも、俺が飲みたいんだから いいんだよ。
何でも いいから、買って来て?
…あ、サナは自分の好きなので いいから。
よろしく頼んだよ 笑」
「……。
……分かりました…」
結局 私が折れて、渋々お金を受け取ったのを見届けると、
景さんが急に くっくっ と笑い出した。
「…どうしたんですか、ヒカリさん?」
「いや…、
今のサナ、格好 良かったね。
…珍しいのが見れた 笑」
「……」
…私が固まったのは…、
こんな事で″きゅん″と してしまう、
自分自身に対して、呆れたから。
これは ある種 中毒だ、と 思う。