ギャップしおりん
…どうだか。
私には可愛い系のなよなよに見えますが。
今日はいつもより、10分早く学校に着いた。
教室に入ると、窓側の一番後ろの席に座った。
授業中に携帯いじっててもバレないし、ベストな席。
「しおりーん、またお呼び出し」
私が漫画を読んでいると、里佳が廊下を指差しながら言った。
廊下の方に視線を向けると、私の名前を呼びながら手を振っているチャラそうな男が若干1名。
はっきり言ってうざい。
とくにチャラい奴は苦手。
私は無視を決めた。
「モテる女は大変ね」
「好きでモテてないっす。みんな私の性格知ってたら幻滅するっしょ」
「あたしはそんな栞里だから付き合いやすいんだけどさ…椅子の上であぐらかく女ってどうよ」
里佳はため息をついて、呆れた表情を見せた。
「仕方ないじゃん。猫かぶるなんてそんな器用なこと出来ないしさ…あぐらが1番楽だし」
私は鞄からiPodを出し、イヤホンを耳にセットする。
「そんな際どいスカート丈なのにあぐらかいてたらパンツ見えるから!」
「大丈夫大丈夫。ジャージはいてるし、誰も見ないっすよ」
「…それが計算じゃないって所が栞里の武器ね」
私は武器とか持ってない。
女の武器は涙とか言うけど、はっきり言ってアホらしい。
* * *
私はイヤホンを耳につけたまま、4時間目の授業まで爆睡した。
チャイムとともに目が覚める。
「飯だ、飯」
私はイヤホンをとりiPodの本体に巻き付ける。
「昼休みになって飛び起きるとかどんだけ食い意地はってんの」
「仕方ないじゃん!お腹すいたんだし。見て見て、今日の弁当我ながら美味しそうでしょ?」
弁当を机の上に置き、蓋を開ける。
性格がこんなくせに料理は出来る私。
「美味そう。そんな適当な性格なのに弁当とかよく作れるね。
卵焼きもーらいっ♪」
適当とか余計だし。
あながち当たってるけど。
「私の貴重な食材を…いただきます。あっそうだ後でノート見せて」