恋愛至上主義[短編]
「…最悪っ」
はりきってた私が馬鹿見たいじゃん!
お風呂につかりながら愚痴を言う、そんなのが日常茶飯事になっていた。
楽しみにしてたのになー…
私と慎が出会ったのは
私が高校1年生のとき。
3年の慎に一目惚れ。
それからというもの毎日猛アタック。
そのたびに振られて、泣いてたっけ?
それで、卒業式に最後の告白。
「…お前、凄ぇよ。負けた。」
そう笑いながら手を差し出してくれたっけ?
あの時は幸せだった。
でも今は?
現実はそう甘くなかった。
慎が卒業して、会えない日々。
そして私も卒業して仕事が重なる。
「慎は私のこと好き…かな?」
最近思うようになったこの不安。
どうしようもなく胸を締め付ける。
慎の心が知りたいよ…
ちゃぷん…
お湯に顔をつけながらそんなことを考えていた。