恋愛至上主義[短編]
ー次の日
「じゃ、行って来るから。…佳苗、機嫌直せ。」
「…いってらっしゃい。」
少し頬を膨らませ、慎を送り出す。
パタン
ドアが閉まった。
その瞬間に襲われる孤独感。
…寂しい。
プルルルルルル…
そんな時に丁度よく鳴った私の携帯。
「もしもーし。姉ちゃん?」
「幸人ー?」
電話の相手は我が弟。
2個下だから今は20?
「今日暇だからさー、買い物付き合ってよ。」
「はー?…なんか奢ってくれる?」
「姉ちゃん、相変わらずだよね。」
私と弟は結構仲がいい。
だからこうしてたまに2人で出かけたりする。
11時に待ち合わせの約束をして電話を切った。
「丁度よかったかも。」
1人は寂しすぎた。
幸人に感謝だな。
そう言って、今日きて行くはずだった新しいワンピースに手を通した。