恋愛至上主義[短編]
って言うか!
ここらへんって確か慎のお店の近く…
幸人についていくだけだった私。
なんでこんなところにいるの!?
「幸人!ここ…」
「あそこ!」
私の言葉を無視して幸人は1つの建物を指差す。
「あ…」
その指の先。
それは慎のお店のすぐ隣。
どくんっ
一瞬胸が大きく脈打った。
もしかしたら慎の働くとこ、見れるかな?
そんな期待が胸に過ぎった。
「姉ちゃん、行くよ?」
「あ、う、うん!」
慎のお店は一面ガラス張り。
だから中が良く見える。
……どこだろ?
たくさんいる美容師さんの中から慎を探す。
…いた。
女のお客さんの髪をカットしている慎。
楽しそうに笑ってるし。
…私には見せない顔。
足が自然に止まってしまった。
「姉ちゃん?」
幸人も足を止める。