蕾~桜の木の下で~

*次の日*

キンコーンカーンコーン、
キンコーンカーンコーン。

予鈴だ。

「...眠い。」

昨日の涙は枯れたみたいで、今日はいくら欠伸をしても流れてこない。
ま、唯に見えないから良いんだけど。

周りを見回しながら自分の席へ行く。

「...おはよう。」

「あっ、おはよう!!」

唯から挨拶をしてくれるなんて思わなかった。
欠伸を思いっきりしていた口を慌てて閉じる。

恥ずかしかったけど、これくらいの方が良い。
だって、こうでもしないと笑えないから。

「...フッ。」

唯が笑った。


...嘘だと思った。
ちょっとだけでも、いつもの笑顔が戻ったかなー、と。

でもそれはすぐに消えて、唯の机から紙が落ちた。

...え?

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