蕾~桜の木の下で~
唯はどこまでも走ってゆく。
それはどこか、楽しそうにも一瞬見えた。

途中で朝倉先輩のクラスを通ったのに、見向きもせずに。

そしてたどり着いた先は、「屋上」と書かれた扉の前。

「じゃ、見張りお願い。」

「えぇ?」

階段を2段とばしであがる。

唯は失恋から、少しずるくなったのかもしれない。


だってその証拠に...俺の鼓動は少しも変わらず、動き続けているのだから。
< 43 / 47 >

この作品をシェア

pagetop