蕾~桜の木の下で~
「...あさくら、はるとっ!!」

結局、唯が見た昨日の朝倉先輩は、「キスをしていた。」らしい。

唯に告白をした、あの場所で。
夕日に染められるまで、イチャついてて。

しかも...浮気じゃなくて本気。

唯とはちあわせをした朝倉先輩は、
気まずそうな、申し訳なさそうな顔をしていた。

唯は草むらに倒れこんで...そのうちに、泣き疲れて寝てしまった。


「...それなのにこんな手紙書いちゃってさー、先輩はけろってして、今日は彼女と一緒に登校してるし。


...もう、晴斗先輩って呼べないんだよね。
このネックレスも、彼女面してるって思われちゃうのかな。

年上が何よー!!たった2年じゃない。
...あたしの男慣れしてないところが良いって言ってたじゃない!!
なんで、先輩が良いの?


昨日まで、変わんなかったのに。
...手が、届いたのに。

なんで...。
あたしだけ前に進めないなんてなぁ。

はると、せんぱい。かぁ

悔しいなぁ。
まだ、半年しか経ってないのに。

なんで、消えてくれないのよ!!
半年しか経ってないんだよ!!

はるとせんぱいー!!!」


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