蕾~桜の木の下で~
その時はすごく落ち込んだのを今でも覚えている。

その次の日の出来事は
そんな気分を吹っ飛ばしてくれるほど俺にとっては衝撃的だったのだけどー。


自己紹介をしたその日は学級委員長・副委員長・書記を決め、他の委員はくじ引きで決めることになった。

俺が上の空なのにはお構いなしに
(当たり前だけど)
HRは過ぎ去っていく。


*その日の帰り道*

「...そんな目が合わなかったくらいで
落ち込むなって!!
 
 大体まだ一日目だろ?」

トナリで耳を傾けようともしない俺に話し掛けているのは幼馴染の沢村 浩介(さわむら こうすけ)である。

「そんなこと言ったってさぁ、気になる子に
は一回くらい目が合うもんじゃん。
 
...てことは俺は恋愛対象にならないってことに...

「ならねーよ!!
 まず初対面の日にそんなことを望むな!!」

浩介とは幼稚園からの仲でいつも一緒だ。
いわゆる“腐れ縁”てやつ。

こいつの性格は言動からでも理解しやすいので、(以下略)なんてことにしておきたいのだが...バレたら面倒なので一応。




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