囚われの歌姫
てゆーか、頭に手を置かれるのも嫌なんんだけど……。
小さいと見下されてる様で。
不機嫌な態度をあからさまに見せると、また軽く小突かれた。
「ちょっと待っとけよ、いいか、俺が離れても知らない奴に付いていくなよ?」
それだけ言うとクラス名簿へと向かう。
ふと、隣から女の子達の話し声が聞こえた。
「ねえねえ、あの人カッコよくない?」
「それ思った!! ちょー、イケメンっ!」
「あの隣にいた女の子、彼女かな?」
「えー、違うでしょ。てか彼女持ちだろーが関係ないし」
などなどなど。
……多分、いや絶対颯人のこと。
その隣にいた女の子っていうのはきっと私のこと。
やっぱりモテるんだな…。
ほんとに彼女つくればいいのに。
思わず隣にいた女の子達の会話に聞き入っていると、颯人が帰ってきた。
……浮かない顔をして。
「俺が三組で、梨亜が四組……」
「…………腐れ縁もここまでだね」