妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
それに、食ってしまえば、呉羽は己のものになる。
「結局俺は、呉羽を自分のものだけにしておきたかったのか」
ちり、とそはや丸の気が満ちる。
烏丸が、慌ててそはや丸の膝から飛び降りた。
周りの空気が邪悪なものに変わっていく。
そはや丸の妖気が強くなり、彼の双眸が妖しい光を宿す。
「そはや丸っ。落ち着いて! お姉さんを殺す気?」
烏丸が、ばさばさとそはや丸の周りを飛びながら叫ぶ。
今下手に触れると、一瞬で取り込まれてしまいそうだ。
呉羽が、薄く目を開いた。
「他の奴に盗られるぐらいなら・・・・・・その前に、完全に俺のものにしてやる」
呉羽の額に置いたそはや丸の手から、びりびりとした妖気が迸る。
「やめてっ! やめてよぅっ!!」
烏丸が泣きながら、ばさばさと忙しなく飛び回る。
「お姉さんだって、きっとそはや丸のこと好きだよっ! そはや丸もお姉さんのことが好きなら、何も問題ないじゃない!」
「わかってねぇな。それだけで上手くいくのは、人間だけなんだよ。お前らのような妖ですら、そうそう上手くはいかねぇってのに、命のない俺が、ヒトと上手くいくわけねぇだろ」
そはや丸の身体が、不気味な青い光に包まれる。
手から光は呉羽にも及び、烏丸は必死になって呉羽を見た。
そこで初めて、呉羽が目を開けているのに気づく。
「結局俺は、呉羽を自分のものだけにしておきたかったのか」
ちり、とそはや丸の気が満ちる。
烏丸が、慌ててそはや丸の膝から飛び降りた。
周りの空気が邪悪なものに変わっていく。
そはや丸の妖気が強くなり、彼の双眸が妖しい光を宿す。
「そはや丸っ。落ち着いて! お姉さんを殺す気?」
烏丸が、ばさばさとそはや丸の周りを飛びながら叫ぶ。
今下手に触れると、一瞬で取り込まれてしまいそうだ。
呉羽が、薄く目を開いた。
「他の奴に盗られるぐらいなら・・・・・・その前に、完全に俺のものにしてやる」
呉羽の額に置いたそはや丸の手から、びりびりとした妖気が迸る。
「やめてっ! やめてよぅっ!!」
烏丸が泣きながら、ばさばさと忙しなく飛び回る。
「お姉さんだって、きっとそはや丸のこと好きだよっ! そはや丸もお姉さんのことが好きなら、何も問題ないじゃない!」
「わかってねぇな。それだけで上手くいくのは、人間だけなんだよ。お前らのような妖ですら、そうそう上手くはいかねぇってのに、命のない俺が、ヒトと上手くいくわけねぇだろ」
そはや丸の身体が、不気味な青い光に包まれる。
手から光は呉羽にも及び、烏丸は必死になって呉羽を見た。
そこで初めて、呉羽が目を開けているのに気づく。