妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
 が、右丸はこくりと頷いた。

「それは大丈夫です。ほたる様の異常さは、もう隠し通せるものでもありませんので。皆が術師様を招くことに賛成しております」

「それじゃ、心配はいらないかな。ちょっと待っててくれ。すぐに支度するから」

 くるりと踵を返すと、呉羽は屋敷に入った。
 部屋の隅の桐箱から、数枚のお札を掴み出す。

「・・・・・・あいつのところに行くのかよ」

 胡座をかいたままのそはや丸が口を開く。
 呉羽は数枚ある着物を引っ張り出しながら頷いた。

「ああ。ちょっと厄介なことになってるようだし。お前も、いつまでも付きまとわれるのは嫌だろ? それにだな」

 少しにやりと口角を上げ、呉羽はそはや丸を見た。

「金儲けになりそうだし」

「・・・・・・そうかぁ?今回も依頼主は右丸だろ? あいつ、貧乏だぜ」

 馬鹿にしたように言うそはや丸に、呉羽は帯を解きながら、ちっちっと指を振って見せた。 
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