妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
ほたるの内にいるモノに気づいたらしいそはや丸に問い質したいが、彼の言葉に過剰に反応するほたるの前では躊躇する。
呉羽は懐から、数枚の護符を掴みだした。
一枚を、ほたる目掛けて投げつける。
瞬間、ほたるの顔つきが変わった。
『甘いわ!』
くぐもった声と同時に、ほたるが護符を叩き落とす。
そして、四つんばいで尻を高く上げた。
まるで猫が獲物を狙うときのようなその格好に、呉羽は、はっとした。
「まさかお前・・・・・・。あのときの猫又か」
ほたるは、にぃ、と笑い、そのままの姿勢で手の甲を舐めた。
『ふふ、そもそも我は、女子の執念の塊よ。器を滅せられても、怨念は消えぬ。ここにまた、丁度良い器が出来ただけのこと。我を引き寄せたのは、この器よ』
「そうか・・・・・・。気の浄化が足りなかったんだな。端から猫又だと思っていたから、内部の気まで考えなかった」
きり、と奥歯を噛みしめ、呉羽はそはや丸を握りしめた。
だがいきなり斬りつけるわけにもいかない。
器は、ほたるなのだ。
「今回は、気のみを引き出さないといけないわけか・・・・・・。厄介だな」
前は一旦猫又になった上で娘に取り憑いていたので、猫又という形がある状態で引き出せた。
形があるので、引き出してしまえば斬り払う事が出来る。
が、今回は邪悪な気そのものを引き出さねばならない。
引き出したところで斬れないので、術をもって浄化しないといけないのだ。
呉羽は懐から、数枚の護符を掴みだした。
一枚を、ほたる目掛けて投げつける。
瞬間、ほたるの顔つきが変わった。
『甘いわ!』
くぐもった声と同時に、ほたるが護符を叩き落とす。
そして、四つんばいで尻を高く上げた。
まるで猫が獲物を狙うときのようなその格好に、呉羽は、はっとした。
「まさかお前・・・・・・。あのときの猫又か」
ほたるは、にぃ、と笑い、そのままの姿勢で手の甲を舐めた。
『ふふ、そもそも我は、女子の執念の塊よ。器を滅せられても、怨念は消えぬ。ここにまた、丁度良い器が出来ただけのこと。我を引き寄せたのは、この器よ』
「そうか・・・・・・。気の浄化が足りなかったんだな。端から猫又だと思っていたから、内部の気まで考えなかった」
きり、と奥歯を噛みしめ、呉羽はそはや丸を握りしめた。
だがいきなり斬りつけるわけにもいかない。
器は、ほたるなのだ。
「今回は、気のみを引き出さないといけないわけか・・・・・・。厄介だな」
前は一旦猫又になった上で娘に取り憑いていたので、猫又という形がある状態で引き出せた。
形があるので、引き出してしまえば斬り払う事が出来る。
が、今回は邪悪な気そのものを引き出さねばならない。
引き出したところで斬れないので、術をもって浄化しないといけないのだ。