妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
「ああ寒い。わたくしは、このようなところに慣れておりませんのよ。さぁ、さっさと屋敷へ案内しなさい」
呉羽は、じっと女官を見た。
呉羽よりも、若干年上ぐらいか。
にしては、えらくでかい態度だ。
「ほたる様。我々は、お礼に来たのですから・・・・・・」
右丸が、やんわりと窘める。
ようやく呉羽は、女官が以前右丸のために呉羽の屋敷まで出向いてきた女官だと気づいた。
確かに呉羽に頼み込んだのはこの女官だし、礼に来るのも、わからないでもないが。
だが女官は、先程から呉羽には、そのような感謝の意のような好意的な視線は向けていないような。
呉羽は先程からちらちらと女官が見ている方向へ、視線を動かした。
そこには、梅の一枝を持った、そはや丸。
「あ! お前! 梅の枝、折ったな? もう、下手に折ったら、上手く実が付かないじゃないか」
そはや丸の手にある梅に目が行き、思わず呉羽は叫んだ。
「うもーっ。実が沢山生ったら、梅干しや梅酒が出来るんだぞ! 貴重な食材なんだからなっ」
きゃんきゃんと吠える呉羽だったが、そんな呉羽を、いきなりほたるが笑い飛ばした。
呉羽は、じっと女官を見た。
呉羽よりも、若干年上ぐらいか。
にしては、えらくでかい態度だ。
「ほたる様。我々は、お礼に来たのですから・・・・・・」
右丸が、やんわりと窘める。
ようやく呉羽は、女官が以前右丸のために呉羽の屋敷まで出向いてきた女官だと気づいた。
確かに呉羽に頼み込んだのはこの女官だし、礼に来るのも、わからないでもないが。
だが女官は、先程から呉羽には、そのような感謝の意のような好意的な視線は向けていないような。
呉羽は先程からちらちらと女官が見ている方向へ、視線を動かした。
そこには、梅の一枝を持った、そはや丸。
「あ! お前! 梅の枝、折ったな? もう、下手に折ったら、上手く実が付かないじゃないか」
そはや丸の手にある梅に目が行き、思わず呉羽は叫んだ。
「うもーっ。実が沢山生ったら、梅干しや梅酒が出来るんだぞ! 貴重な食材なんだからなっ」
きゃんきゃんと吠える呉羽だったが、そんな呉羽を、いきなりほたるが笑い飛ばした。