妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
「~~~~っっ!!」

 右丸が一瞬で真っ赤になり、腰を抜かしたように、その場にへたり込む。
 そんな右丸の髪を鷲掴みにし、そはや丸は、ぐいっと顔を近づけた。

「言っておくがな、妙な気起こしてみやがれ。即座にその首、叩っ斬るからな」

「なななな・・・・・・。いい、一体何を・・・・・・何のつもりなのです」

 そはや丸のただならぬ形相に青くなりつつも、裸体の呉羽に胸は早鐘を打つ。
 へたり込んだままの右丸を、そはや丸は引き摺るようにして、呉羽の横に投げ出した。

「ひええぇぇぇっ」

 右丸が、情けない声を出して逃げ出そうとする。
 気高い巫女姫の裸体に引っ付くなど、とんでもない。

「馬鹿野郎が! 暴れるんじゃねぇ! 呉羽の具合が悪いんだ! てめぇも呉羽を想ってんのなら、暖めてやれ!!」

 呉羽から離れた右丸を、そはや丸は容赦なく蹴り上げる。
 剥き出しの尻を力任せに蹴られ、右丸は、ぎゃっと叫んだ。
 さらに腕を引っ張られ、呉羽の横に戻されてしまう。

 混乱状態の右丸だったが、そこでふと、あることに気づいた。

---な、何だ、この手の冷たさは。人の手とは思えない・・・・・・---
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