妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
「あ・・・・・・右丸だ」
簀の子に出てきた右丸は、部屋のほうに一礼すると、そのまま階(きざはし)を降りた。
帰るらしい。
烏丸は少し考え、ばさ、と屋根の上から飛び立った。
右丸を送っていくのだろう。
そはや丸は、しばらく烏丸を見送っていたが、やがて簀の子に視線を戻した。
呉羽の姿はない。
結局右丸と呉羽はどうなったのか。
そはや丸は呉羽の身体に直接憑いているので、おおよそのことは感知できる。
呉羽の気が揺れたのもわかった。
それが何故なのかまでは、わからないが。
だがあまり激しい昂ぶりは感じられなかったため、そはや丸はそはや丸で、落ち着かなかったのだ。
右丸に、呉羽に手を出したら殺すと言ったが、呉羽が右丸を受け入れたら・・・・・・?
どうしても、己は生きていないモノである、ということが引っかかっていたそはや丸は、もしも呉羽自身が右丸を受け入れたなら、それを潰すような権利は、モノである己にはない、と思っていた。
モノである、ということが、そはや丸を苦しめていたのだ。
だが。
簀の子に出てきた右丸は、部屋のほうに一礼すると、そのまま階(きざはし)を降りた。
帰るらしい。
烏丸は少し考え、ばさ、と屋根の上から飛び立った。
右丸を送っていくのだろう。
そはや丸は、しばらく烏丸を見送っていたが、やがて簀の子に視線を戻した。
呉羽の姿はない。
結局右丸と呉羽はどうなったのか。
そはや丸は呉羽の身体に直接憑いているので、おおよそのことは感知できる。
呉羽の気が揺れたのもわかった。
それが何故なのかまでは、わからないが。
だがあまり激しい昂ぶりは感じられなかったため、そはや丸はそはや丸で、落ち着かなかったのだ。
右丸に、呉羽に手を出したら殺すと言ったが、呉羽が右丸を受け入れたら・・・・・・?
どうしても、己は生きていないモノである、ということが引っかかっていたそはや丸は、もしも呉羽自身が右丸を受け入れたなら、それを潰すような権利は、モノである己にはない、と思っていた。
モノである、ということが、そはや丸を苦しめていたのだ。
だが。