妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
ごにょごにょと言い、その場に平伏する。
ようやく、ほたるも小さくだが頭を下げた。
「外法師様のお陰ですかね」
尊大に、ちょい、と下げた頭を戻し、あ、と何かを思い出したように、ずいっと身を乗り出した。
「そうね。外法師様がそはや丸を遣わしてくれなかったら、わたくしは彼に会うこともなかったのだわ。その点は、感謝しております」
扇の向こうから、にこりと笑う。
何のことやらわからず、呉羽はきょとんとほたるを見た。
「おい右丸」
不意にそはや丸が口を開いた。
「お前、礼はできねぇとか抜かしたか?」
ぎろりと、部屋の隅の右丸を睨む。
烏丸同様、右丸もそはや丸の視線に震え上がった。
「ああああ、すっすみません! わたくしの稼ぎなどでは、とてもとても」
蒼白になり、右丸はまた、その場にがばっと平伏した。
「ふざけんな。誰がてめぇのためなんかに、ただ働きしてやるか。坊主に身を売ってでも、払うモン払えや」
傍に刀でもあれば、即座に叩き斬りかねないそはや丸の態度に、右丸は、ひいぃっと息を呑む。
もっともそはや丸自身が刀なので、他に刀などはないのだが。
ようやく、ほたるも小さくだが頭を下げた。
「外法師様のお陰ですかね」
尊大に、ちょい、と下げた頭を戻し、あ、と何かを思い出したように、ずいっと身を乗り出した。
「そうね。外法師様がそはや丸を遣わしてくれなかったら、わたくしは彼に会うこともなかったのだわ。その点は、感謝しております」
扇の向こうから、にこりと笑う。
何のことやらわからず、呉羽はきょとんとほたるを見た。
「おい右丸」
不意にそはや丸が口を開いた。
「お前、礼はできねぇとか抜かしたか?」
ぎろりと、部屋の隅の右丸を睨む。
烏丸同様、右丸もそはや丸の視線に震え上がった。
「ああああ、すっすみません! わたくしの稼ぎなどでは、とてもとても」
蒼白になり、右丸はまた、その場にがばっと平伏した。
「ふざけんな。誰がてめぇのためなんかに、ただ働きしてやるか。坊主に身を売ってでも、払うモン払えや」
傍に刀でもあれば、即座に叩き斬りかねないそはや丸の態度に、右丸は、ひいぃっと息を呑む。
もっともそはや丸自身が刀なので、他に刀などはないのだが。