妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
「外法師様っ! そはや丸を遣わしてくれたことには感謝します! でも、わたくしの元にそはや丸をやっておいて、今になって邪魔しようだなんて、あまりに身勝手なのではありませぬか?!」

「えっと・・・・・・。邪魔って、何の邪魔ですか。もうあなたとそはや丸の用事は、済んだのではないのですか?」

 状況がさっぱりわからないため、どうしても呉羽が押され気味になる。

「ま・・・・・・。一度だけで済むものではないでしょう。あれほど熱く想われたのですから・・・・・・」

 赤くなって、ほたるは扇の向こうから、そはや丸に流し目を送る。

「い、一回だけでは済まない? え、そうなのですか?」

 いきなり呉羽が、がばっと両手をついて、ほたるのほうへ身を乗り出した。
 ほたるは少し驚いたようだが、すぐに、ふふんと鼻を鳴らす。

「当然でしょう。あれほどの想いをぶつけられるのですよ?」

「そ、そんな凄かったのですか?」

「そりゃあもぅ。止めに入る右丸を押しのけて、そはや丸はわたくしを抱きしめ・・・・・・。わたくしが抗(あらが)う間もなく・・・・・・」

 赤くなりながらも、ほたるは情熱的に語る。
 そはや丸は、ちょっと首を傾げている。

 何せほたるは、そはや丸に言い寄られていると信じているから、部分的に変換が間違っている。
 というか、おかしくなっている。
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