妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
「そはや丸、そんなに何度も女官殿を使ったのか?」
呉羽は焦って、そはや丸の胸倉を掴んだ。
そんな何回も妖気を送り込まれたら、ヒトなどただでは済むまい。
「二回だけだ。ていうか、一回目は使う前に目覚めやがってよ」
確か、一回目は眼力を使って、一気に妖気を叩き込んだ。
眼力を使えば一瞬で強い妖気を叩き込めるが、叩き込まれるほうも叩き込むほうも、負担が大きい。
叩き込まれたヒトは、一瞬で気を失う。
とりあえずほたるを使おうと決めたそはや丸は、まずほたるに妖気を叩き込んで、気を失っている間に使ってしまおうと思ったのだが、烏丸が右丸の中で手こずっている間に、ほたるが目覚めてしまったのだ。
立て続けに眼力を使うのは危険なため、やむなくほたるを口説いて口移しで再び妖気を送り込んだ。
なので、ほたるの意識がある状態で、そはや丸が彼女に接吻したのは一回だけだ。
だが。
「何をそんなに、照れてらっしゃるの。初めなど、渡殿(わたどの)で迫ったじゃありませぬか。あのような、いつ誰が来るともわからぬところで、わたくしを押し倒そうとなさるなど、よほどのこと・・・・・・」
相変わらず扇の向こうから、赤い顔でほたるが言う。
その後ろから、右丸がたまりかねたように、ほたるの袖を引いた。
「ほ、ほたる様。あまりそういうことを仰るのは、慎まれたほうがよろしいのでは・・・・・・」
ほたる同様、真っ赤な顔で言うのだが、今顔を赤らめているのは、この二人だけだ。
呉羽は焦って、そはや丸の胸倉を掴んだ。
そんな何回も妖気を送り込まれたら、ヒトなどただでは済むまい。
「二回だけだ。ていうか、一回目は使う前に目覚めやがってよ」
確か、一回目は眼力を使って、一気に妖気を叩き込んだ。
眼力を使えば一瞬で強い妖気を叩き込めるが、叩き込まれるほうも叩き込むほうも、負担が大きい。
叩き込まれたヒトは、一瞬で気を失う。
とりあえずほたるを使おうと決めたそはや丸は、まずほたるに妖気を叩き込んで、気を失っている間に使ってしまおうと思ったのだが、烏丸が右丸の中で手こずっている間に、ほたるが目覚めてしまったのだ。
立て続けに眼力を使うのは危険なため、やむなくほたるを口説いて口移しで再び妖気を送り込んだ。
なので、ほたるの意識がある状態で、そはや丸が彼女に接吻したのは一回だけだ。
だが。
「何をそんなに、照れてらっしゃるの。初めなど、渡殿(わたどの)で迫ったじゃありませぬか。あのような、いつ誰が来るともわからぬところで、わたくしを押し倒そうとなさるなど、よほどのこと・・・・・・」
相変わらず扇の向こうから、赤い顔でほたるが言う。
その後ろから、右丸がたまりかねたように、ほたるの袖を引いた。
「ほ、ほたる様。あまりそういうことを仰るのは、慎まれたほうがよろしいのでは・・・・・・」
ほたる同様、真っ赤な顔で言うのだが、今顔を赤らめているのは、この二人だけだ。