妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
「初めから、そういう態度に出てりゃ良かったのによ」

「だって、つれない態度を取るんですもの。いくら他人の目があるとはいえ、冷たくされては悲しいですわ」

 わざわざわたくしを知らないと言い張るし・・・・・・と、憂い顔でほたるが言う。
 そはや丸は、首を傾げた。
 初めに『知らない』と言ったのは、本気で忘れていたからだ。
 媒体に使った女子のことなど、いちいち覚えていない。

「そはや丸殿。あの女子は、何なのです?」

「あ?」

 ほたるは居住まいを正し、真っ直ぐにそはや丸を見つめた。

「あなた様はここで、あの外法師様と一緒に住んでおられますの?」

「それが何だよ」

「他に家人(けにん)は、おりませんの?」

「いねぇな。こんなところに、好きこのんで住み着く奴もいねぇ。俺も呉羽も、ヒトなんざ煩わしいだけだしな」

 面倒臭そうに答えるそはや丸に、ほたるは少し目を鋭くする。
 そして、ぐるりと室内を見渡した。
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