妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
「仲がよろしいのですね」

 ぽつりと言ったことに、ほたるは、あら、と呟いて呉羽を見た。
 しばしそのまま、呉羽を見つめる。

「あの?」

「ああ、そうね。・・・・・・右丸のことは、大事ですから。そうそう、そもそもわたくしがここに来たのも、呉羽様にお会いしたかったからですわ。わたくしが右丸を大事に想うように、右丸もわたくしを想ってくれていると思っていたのですが。その右丸は、最近あなた様のことを、嬉々としてわたくしに話すようになって。嫉妬ですわ」

 驚くほど素直に、ほたるは己の気持ちを告白した。
 それもこれも、今はそはや丸のほうに気持ちが傾いているからだろうが。

 右丸が慌てて身を乗り出した。

「ほ、ほたる様。そんな、私はそんな、呉羽様のことをぺらぺら喋ったりは・・・・・・」

 何気に右丸の気持ちを暴露されたわけだが、この程度なら鈍い呉羽には気づかれない。
 特に気にすることもなく、呉羽はふむふむと話を聞いている。

「・・・・・・あなた様とそはや丸も、わたくしと右丸のようなものなのですか?」

「え?」

「あなた様は、そはや丸の主だと言っていましたね。わたくしも、まぁ・・・・・・主ではありませんが、右丸よりは、身分は上です。それでも仲良く、今まで付き合ってきたのです。あなたとそはや丸も、そうなんではなくて?」
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