妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
嬉しそうに笑いながら、呉羽は言う。
そはや丸は、呉羽の頼みは基本的に全て聞いてくれる。
それに、呉羽は気づいていない。
主を己で決めるほど誇り高い妖刀であるそはや丸が、このような小娘とあること自体が、そはや丸を知るモノからしたら、まずあり得ないことなのだ。
そはや丸は、それを『呉羽が己より強いから』だと言っているが、それが本当だとしても、そはや丸が離れようと思えば、いつでも呉羽の右腕を切り裂いて離れていけるはずなのだ。
いまだにそれをしないのは、呉羽はもちろん、当のそはや丸も、何故だかわかっていないのではないか。
烏丸は、ふぅ、と息をつくと、また記憶を辿った。
「でね。えっと、やっぱりほたるさんを使って、右丸からおいらを引き出すことにしたの。で、そはや丸が、ほたるさんに接吻したからさ、右丸がびっくりしちゃって」
「・・・・・・何故だ?」
「あのね、さっきも言ったけど、接吻ってのは、普通のヒトは、好いた人とするもんなの」
呆れの入った目で、烏丸が呉羽を見つつ言う。
ふ~む、と感心したように、呉羽はただ唸るばかり。
「目の前でそはや丸が、倒れてるほたるさんに接吻したもんだからさ。右丸も、すっかり二人はそういう関係なんだと思い込んじゃって」
笑いながら言った烏丸だが、おや? と首を傾げる。
ということは、右丸はそはや丸を、結構な遊び人と思っているのだろうか。
そはや丸は、呉羽の頼みは基本的に全て聞いてくれる。
それに、呉羽は気づいていない。
主を己で決めるほど誇り高い妖刀であるそはや丸が、このような小娘とあること自体が、そはや丸を知るモノからしたら、まずあり得ないことなのだ。
そはや丸は、それを『呉羽が己より強いから』だと言っているが、それが本当だとしても、そはや丸が離れようと思えば、いつでも呉羽の右腕を切り裂いて離れていけるはずなのだ。
いまだにそれをしないのは、呉羽はもちろん、当のそはや丸も、何故だかわかっていないのではないか。
烏丸は、ふぅ、と息をつくと、また記憶を辿った。
「でね。えっと、やっぱりほたるさんを使って、右丸からおいらを引き出すことにしたの。で、そはや丸が、ほたるさんに接吻したからさ、右丸がびっくりしちゃって」
「・・・・・・何故だ?」
「あのね、さっきも言ったけど、接吻ってのは、普通のヒトは、好いた人とするもんなの」
呆れの入った目で、烏丸が呉羽を見つつ言う。
ふ~む、と感心したように、呉羽はただ唸るばかり。
「目の前でそはや丸が、倒れてるほたるさんに接吻したもんだからさ。右丸も、すっかり二人はそういう関係なんだと思い込んじゃって」
笑いながら言った烏丸だが、おや? と首を傾げる。
ということは、右丸はそはや丸を、結構な遊び人と思っているのだろうか。