妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
 夜が更けて、呉羽と烏丸が衾に潜り込んでも、そはや丸は刀のまま、沈黙していた。

 しばらくそはや丸を見ていた呉羽は、諦めたように衾を頭の上まで引き上げた。

「・・・・・・そはや丸、どうしちゃったの?」

 衾の中で、烏丸が少し心配そうに言う。

「気にすることないよ。いっつも寝るときは、刀になるんだし」

 軽く応じ、呉羽は、ふわぁ、と欠伸をすると、烏丸を抱き寄せて目を閉じた。
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