妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
「そうだ。そういやお前、ちゃんと後始末してきたんだろうな? 烏丸が帰ってきたから、上手くいったものだと思ってたが、右丸は大丈夫だったのか?」
ふと思い出したように、呉羽は傍に座るそはや丸に問いかけた。
烏天狗は、元々かなり高等な妖であるため、何の力もないただのヒトの身体を借り続けるなどということは無理なのだ。
右丸に入ったときの烏丸は、瀕死の状態だったし、まだ子供だった。
妖力も弱かったため、特に害無く今まできたが、傷が癒えるに従って、妖としての力が強くなってきた。
そのため、器であった右丸に影響が出てきた。
右丸の身が危険になったため、烏丸が呉羽に助けを求めたのだ。
が、呉羽は単なる地下人である。
官位もないような呉羽が、左大臣家の敷居をまたげるわけはない。
悩んだ挙げ句、呉羽の命で、刀になれるそはや丸が右丸の元へ出向き、無事に烏丸を連れ帰ったのだ。
「詳しく聞いてなかったが、右丸はどういう状態だったんだ? 媒体を使ったとか言ってたな。女官殿も、無事なんだろうな?」
「・・・・・・さぁ? よくわからんが、死んじゃいないだろ。目が覚めたらややこしいから、烏丸を引き出して、さっさと帰ってきたがな。ちゃんとお前の護符も渡してきたし」
ふ~ん、と呉羽は呟いた。
やはり、呉羽にとっては右丸よりも烏丸のほうが可愛い。
幼い頃から妖まみれで育った呉羽だからか、ヒトより妖のほうが馴染みやすいようなのだ。
ふと思い出したように、呉羽は傍に座るそはや丸に問いかけた。
烏天狗は、元々かなり高等な妖であるため、何の力もないただのヒトの身体を借り続けるなどということは無理なのだ。
右丸に入ったときの烏丸は、瀕死の状態だったし、まだ子供だった。
妖力も弱かったため、特に害無く今まできたが、傷が癒えるに従って、妖としての力が強くなってきた。
そのため、器であった右丸に影響が出てきた。
右丸の身が危険になったため、烏丸が呉羽に助けを求めたのだ。
が、呉羽は単なる地下人である。
官位もないような呉羽が、左大臣家の敷居をまたげるわけはない。
悩んだ挙げ句、呉羽の命で、刀になれるそはや丸が右丸の元へ出向き、無事に烏丸を連れ帰ったのだ。
「詳しく聞いてなかったが、右丸はどういう状態だったんだ? 媒体を使ったとか言ってたな。女官殿も、無事なんだろうな?」
「・・・・・・さぁ? よくわからんが、死んじゃいないだろ。目が覚めたらややこしいから、烏丸を引き出して、さっさと帰ってきたがな。ちゃんとお前の護符も渡してきたし」
ふ~ん、と呉羽は呟いた。
やはり、呉羽にとっては右丸よりも烏丸のほうが可愛い。
幼い頃から妖まみれで育った呉羽だからか、ヒトより妖のほうが馴染みやすいようなのだ。