妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
第六章
それからしばらくは、高熱が出たりしてよく覚えていないが、常にそはや丸が傍にいて、世話をしてくれていた。
ようやく起き上がれるようになったのは、七日ほども経った頃だろうか。
が、その日も呉羽は、朝起きて顔を洗うと、そはや丸が朝餉を持ってくる前に、こそこそと衾に潜り込んだ。
呉羽が衾に滑り込んだ直後、そはや丸が器を手に入ってくる。
どかっと枕元に座り、横に器を置くと、そろ、と衾に手をかけた。
ちらりと、顔にかかった衾をめくられるのを感じたが、呉羽は目を瞑ったまま動かない。
「・・・・・・おいこら」
低い声が落ちてくる。
「寝たふりしてんじゃねーよ」
ぱち、と目を開け、呉羽はそろりと、そはや丸を見上げた。
枕元に座ったそはや丸が、見下ろしている。
「・・・・・・何でわかった?」
「顔洗っただろうが」
「ばれてたか」
言いながら、呉羽は勢いをつけて上体を起こした。
その瞬間、あいた、と呟いて背を丸め、また痛た、と顔をしかめて横倒しに手を付いた。
あまり動くと、まだ傷が引き攣れる。
ようやく起き上がれるようになったのは、七日ほども経った頃だろうか。
が、その日も呉羽は、朝起きて顔を洗うと、そはや丸が朝餉を持ってくる前に、こそこそと衾に潜り込んだ。
呉羽が衾に滑り込んだ直後、そはや丸が器を手に入ってくる。
どかっと枕元に座り、横に器を置くと、そろ、と衾に手をかけた。
ちらりと、顔にかかった衾をめくられるのを感じたが、呉羽は目を瞑ったまま動かない。
「・・・・・・おいこら」
低い声が落ちてくる。
「寝たふりしてんじゃねーよ」
ぱち、と目を開け、呉羽はそろりと、そはや丸を見上げた。
枕元に座ったそはや丸が、見下ろしている。
「・・・・・・何でわかった?」
「顔洗っただろうが」
「ばれてたか」
言いながら、呉羽は勢いをつけて上体を起こした。
その瞬間、あいた、と呟いて背を丸め、また痛た、と顔をしかめて横倒しに手を付いた。
あまり動くと、まだ傷が引き攣れる。