妖(あやかし)狩り・参~恋吹雪~
同じ事を、以前にも聞かれた。
そのときは、ヒトじゃないからだ、と納得したのだが、はたして本当にそうだろうか。
本身は刀とはいえ、人型になれば、まるっきり人と変わらない。
ほたるなどは、本気でそはや丸に恋い焦がれている。
右丸だって、そはや丸がヒトでないなどとは思っていない。
人型であるそはや丸は、見てくれも態度も、どこもヒトの男と変わらないのだ。
妖であることなど忘れそうなぐらい自然なのに、男嫌いの呉羽が何ともないのは、確かにおかしい。
「お前を『女』として見る男が嫌いなんだとしても、同じ男である俺に、こうもぴったりくっつくことはあり得ないぜ。まして、それこそ接吻するなんてな」
そはや丸が呉羽と接吻するのは平気だというのはおかしいと言ったが、言われてみれば、呉羽だって男など怖気が走るほど嫌いなのに、そはや丸と接吻するのは平気だ。
以前にほたるの元から戻ってきたそはや丸が、『他の女の陰の気は気色悪い』と言ったとき、呉羽は自らそはや丸に接吻している。
「あのときは、別にお前は浄化の気を持ってるとも思ってなかったから、戯れに言っただけだぜ。なのに何でお前は躊躇いもなく、俺に接吻したんだ?」
言えば言うほど、ドツボに嵌っていくような気がする。
だが反撃されるのが怖くて、言葉がぼろぼろとこぼれてしまう。
以前にも、似たようなことがあった。
同じ事を、呉羽に聞いた。
『お前は何故、俺だと平気なんだ』
何故己は、これほどこのことに拘るのだろう。
何かを確かめたいような、でも知りたくないような、複雑な気持ちだ。
そのときは、ヒトじゃないからだ、と納得したのだが、はたして本当にそうだろうか。
本身は刀とはいえ、人型になれば、まるっきり人と変わらない。
ほたるなどは、本気でそはや丸に恋い焦がれている。
右丸だって、そはや丸がヒトでないなどとは思っていない。
人型であるそはや丸は、見てくれも態度も、どこもヒトの男と変わらないのだ。
妖であることなど忘れそうなぐらい自然なのに、男嫌いの呉羽が何ともないのは、確かにおかしい。
「お前を『女』として見る男が嫌いなんだとしても、同じ男である俺に、こうもぴったりくっつくことはあり得ないぜ。まして、それこそ接吻するなんてな」
そはや丸が呉羽と接吻するのは平気だというのはおかしいと言ったが、言われてみれば、呉羽だって男など怖気が走るほど嫌いなのに、そはや丸と接吻するのは平気だ。
以前にほたるの元から戻ってきたそはや丸が、『他の女の陰の気は気色悪い』と言ったとき、呉羽は自らそはや丸に接吻している。
「あのときは、別にお前は浄化の気を持ってるとも思ってなかったから、戯れに言っただけだぜ。なのに何でお前は躊躇いもなく、俺に接吻したんだ?」
言えば言うほど、ドツボに嵌っていくような気がする。
だが反撃されるのが怖くて、言葉がぼろぼろとこぼれてしまう。
以前にも、似たようなことがあった。
同じ事を、呉羽に聞いた。
『お前は何故、俺だと平気なんだ』
何故己は、これほどこのことに拘るのだろう。
何かを確かめたいような、でも知りたくないような、複雑な気持ちだ。