TABOO†十年ロマンス~秘密の恋
「少し歩こうか」
そう言うと洸はあの頃のように、私に左手を差し出した。
「うん…」
放課後、毎日こうやって手を繋いで帰った。
十年前と同じ道を、洸と私は歩き始めた。
たくさん話したい事があるはずなのに、なかなか言葉にならなくて…
私達は俯いたまま、途切れ途切れに会話する。
「元気、そうだな」
「うん…」
「結婚、したのか?」
「ううん…
これから」
「そっか…
俺、
ずっとアヤに謝りたかった」
私は顔を上げて、洸の横顔を見つめる。