How to KISS
38階のボタンを押し、壁に寄りかかりメッセージの主を適当に確認する。
もちろん、その前に壁にかかる鏡で私が美しいことを確認するのを忘れなかったし、今日はおまけと微笑んでおいた(もちろん鏡の美女も素敵な笑みを返してくれたわ)。
メッセージの中の見慣れぬ名前に眉を潜めるが、私が名前を把握できていない人がたくさんいることを思いだし、内容はそのうち読めばいいや、とパーティーのお誘いの中に紛れ込ませた。
それから、ママとパパからのメッセージも会った。
なんとなく、そろそろ来る頃かなと思っていたらやはり来た。
内容は開けなくてもわかるわ。
"ハーイ、マイスウィート。
そろそろママとパパに会いたくなってきた頃じゃない?
ママとパパはあなたのことを愛しているからその素敵な顔を見せにいらっしゃい。
もちろん、事前に連絡をくれればママの手料理が盛大にもてなすし、突然でもパパの友人の素敵なレストランが待っているわ。
世界で一番あなたを想うあなたの両親より
P.S.あなたより大きなテディベアのお腹を枕にして抱きしめて寝る癖は直った?
パパはそれが気になって仕方ないようなの。
直ってないなら早く直してね。(パパの嫉妬は私のものよ。いくら愛しいあなたにだってあげないわよ)
"
もう何度こんな内容のメッセージを受け取ったかわからないわ。