【コラボ】ブラック・メール


なるほど、とセッテは舌を巻いた。


人が良さそうに見えるが、この飼い主は頭が切れるのかもしれない。


今の時点では、ただの心配性とも言えるが。



「本気で式を中止にしたい、か。その理由は?」



岡崎がまりあに問う。



「犯人が、元彼か元カノ、あるいは一方的に思いを寄せていたストーカーだとして……

やはり、自分の思い人が結婚するのをどうしても阻止したいということでしょう?」


「そうか?式が中止になっても、入籍されたら一緒だろう。

役所に婚姻届を出しさえすれば、法律的には夫婦になってしまう。

その理由は理由にならない」


「じゃあ……犯人は本気で新郎新婦の命を狙ってるってことですか?」



今度はセッテから岡崎に聞いてみた。



「いや、それならわざわざ予告なんてしないだろう。

こんなものを出しておいて、本当に殺人を犯したら、真っ先に疑われるのが元恋人たちだからな。

彼らが犯人だとすれば、それはありえない。

ただ新郎新婦にストレスを与えることが目的のいたずらだと、俺は思う」



言い切ると、岡崎はコーヒーをすすった。


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