【コラボ】ブラック・メール
マネージャーはため息をつき、まりあはうつむいてしまった。
(なんか、えらいことに巻き込まれてもうた……)
セッテはコーヒーの表面をながめた。
さて、自分はどうすべきか。
そんなことを考えていると、マネージャーが口を開いた。
「ま、そういうわけで、イタズラの線が濃いということ。
私は岡崎さんと同意見。安城は心配しすぎだと思う。
結婚式はお客様のご希望通り、執り行います。
しかし、もし何かあってはいけないから、セッテ君と岡崎さんに協力を頼みたいの。
殺人はなくても、いやがらせがある可能性は大いにあるから」
「はあ」
「セッテくんは、仕事柄多くの人を今まで見てきたでしょう?
スタッフとして、お客様に最高のサービスをしながら、周囲を見張る。
そして、もし不審な人物や不審物を見つけたら、岡崎さんに報告する。
そういう段取りでお願いしたいの」
なるほど、とセッテは納得した。
自分なら、どこの職場だろうが式場だろうが、違和感なく溶け込める自信がある。
サービス業は学生時代のアルバイト以来だが、多分なんとかなるだろう。
それより今回は、猫として人を見る目が試されるというわけか。