【コラボ】ブラック・メール


(それにしても、えらいお似合いカップルやな……)


亀○もどきと、綺麗な安城さん。


きっとこの男も若くは見えるが、安城さんと同い年くらいだろう。


わざわざ聞きはしないが、セッテは自分の推理に自信を持っていた。



「ほんなら、改めて今日からよろしゅう、安城さん!」



セッテは重たい空気を払拭しようと、いつもより明るく声を張った。



「こちらこそ……変な依頼で申し訳ありません」


「大丈夫ですよ!きっと、ただのいたずらです。

安城さんは、いい結婚式にすることだけ考えてください!」



立ち上がってもう一度手を差し出す。


まりあは、つられて立ち上がった。



(この人なら、大丈夫かも……)



セッテの言葉には、今までの経験に裏打ちされた自信があり、それがまりあを少し安心させた。


不思議なもので、同じ内容でも婚約者の言葉よりセッテの言葉の方が、素直に脳にしみこむ。


『きっと、ただのいたずらです』


そうだといい。


この人がそう言って笑うと、本当にそんな気がする。


まりあはにこりと笑って、セッテと握手を交わした。


< 14 / 90 >

この作品をシェア

pagetop