【コラボ】ブラック・メール
(それにしても、えらいお似合いカップルやな……)
亀○もどきと、綺麗な安城さん。
きっとこの男も若くは見えるが、安城さんと同い年くらいだろう。
わざわざ聞きはしないが、セッテは自分の推理に自信を持っていた。
「ほんなら、改めて今日からよろしゅう、安城さん!」
セッテは重たい空気を払拭しようと、いつもより明るく声を張った。
「こちらこそ……変な依頼で申し訳ありません」
「大丈夫ですよ!きっと、ただのいたずらです。
安城さんは、いい結婚式にすることだけ考えてください!」
立ち上がってもう一度手を差し出す。
まりあは、つられて立ち上がった。
(この人なら、大丈夫かも……)
セッテの言葉には、今までの経験に裏打ちされた自信があり、それがまりあを少し安心させた。
不思議なもので、同じ内容でも婚約者の言葉よりセッテの言葉の方が、素直に脳にしみこむ。
『きっと、ただのいたずらです』
そうだといい。
この人がそう言って笑うと、本当にそんな気がする。
まりあはにこりと笑って、セッテと握手を交わした。