【コラボ】ブラック・メール
一瞬だが、セッテとまりあの視線が絡み合う。
(うん、笑うとほんまに綺麗やな)
いいものを見せてもらった。
セッテがほくほくしていると、突然隣の席の岡崎が立ち上がった。
「俺のことは無視か。
猫とやら、いい度胸だな」
射抜くような視線に、セッテは正直ビビった。
しかし、持ち前の明るさで岡崎に反論する。そんなに敵視される覚えはない。
「そう言われても、まずは飼い主さんに挨拶するんが猫の礼儀やから……。
そんなやきもち妬かんでも、俺は安城さんに変なことはしませんて。
こーんなかっこええ婚約者さんがいてはるんやし?」
なあ、と笑ってみせると、岡崎はその綺麗な顔を歪ませ、眉間にシワをよせた。
「ば、誰がやきもちなど焼くか」
「ああ、そうですか。
とにかく、よろしゅうお願いしますわ」
「ちっ……」
「瑛(あきら)さん、何なのその態度!恥ずかしい!
ごめんなさい、セッテさん。
彼、ちょっと人付き合いは苦手ですけど、武術の腕は確かですから。
よろしくお願いしますね」