【コラボ】ブラック・メール
そういうまりあの顔は、どこか嬉しそうだった。
やきもちをやかれたからだろうか。
(なんやこの人ら、高校生みたいやな)
セッテは、笑いをこらえた。
瑛が少し赤くなって、まりあをにらんでいる顔が、可愛いと思えたから。
(あいつは、やきもちなんか焼いてくれんやろうな……)
もし、自分とまりあが握手して見つめあっていたとしても。
自分の恋人は、瑛のようにやきもちは焼かないだろう。
少し寂しかったが、そんな彼女を好きなのだから、しょうがない。
仕事が終わったら、今日もまっすぐ帰ろう。
彼女が待つ、寮へ。
セッテはその日、式場のマニュアルを片手に、まりあからざっと指導を受けた。