【コラボ】ブラック・メール
「とてもお似合いだと思いますよ」
まりあはにこりと二人に笑いかけた。
確かに、可愛い顔の陽子にそのドレスはよく似合っていた。
セッテはこっそりまりあの目を盗み見る。
視線があうと、まりあは小さく首を横に振った。
彼女の方も、大した話は聞けなかったということだろう。
「じゃあ、それにしてもらおう」
「うん。安城さんすみません。こっちに変更しておいてもらえますか?」
「はい、かしこまりました」
陽子は満足げに笑った。
そんな彼女を、春彦は苦笑して見ている。
この普通のカップルに、どんなトラブルがあるというのだろう。
セッテもまりあも、打ち合わせのあとの休憩で、やっと小さくため息をついた。