【コラボ】ブラック・メール
それぞれの前日
自宅マンションに帰ったまりあは、大きなため息をついた。
あの贈り物事件から数日。
一瞬も気を抜けない状態が続いていた。
こうしているうちに、新郎新婦に何かあったらどうしよう。
瑛に頼み、彼の会社の社員がこっそり護衛についているのだが、それでも安心できない。
命を狙われる不安は、自分が一番よく知っている。
高校生の時、自分が命を狙われていると知って、どれだけ怖かったか。
「ただいま」
夕飯の支度を終えたタイミングで、瑛が帰ってきた。
「おかえりなさい」
まりあが返事をすると、瑛はかすかに微笑み、すぐに難しい顔に戻ってしまった。
「悪いが、何も良い報告はないぞ」
「えっ、あ、そうですか……」