【コラボ】ブラック・メール
無意識に、瑛の会社の調査結果を期待するような顔をしていたのだろうか。
(情けないな……)
自分のことなのに、瑛やセッテに頼りすぎている。
まりあはまた心が重くなっていくのを感じた。
瑛はネクタイを緩め、まりあに話しかける。
「心配するな。当日は俺がいる」
「はい……」
「なんだ、その顔は。
俺の体力が衰えていると思ってるな?」
「そんなことは……」
思っていなかった。
瑛は実戦から身を引いた今も、時々その片鱗を見せる事がある。
まりあがうっかりコーヒーを入れたカップを落としそうになった時、座っていた瑛は片手でそれを受け止めた。
一滴もコーヒーをこぼす事なく、普通にカップの取っ手を持っていて、驚いた。