【コラボ】ブラック・メール
「それより、お前の方も気をつけろよ」
「えっ?あたしの方?」
「そうだ。あのカップ、直接本人に送れば良かったはずだ。
そのほうが脅しとしても効果があるし。
そうしなかったのは、犯人はあくまでも『結婚式の中止』を目論んでいるという事だ。
おそらく、新郎新婦を本気で殺す事は考えてないだろう」
「…………」
「犯人は式場側に中止するようにというメッセージを、もう一度送ったんだろう。
今は新郎新婦に向かっている憎悪が、式場側にシフトすることも考えられる。スタッフが狙われる恐れもある」
ますます不安そうな顔になってしまったまりあの頬に、瑛は手を伸ばす。
瑛にはもう一つ心配があった。
あのカップが送られた事件で、前述のような推理をしたわけだが、
それに加え、もしかしたら、犯人は式場内部の人間かもしれない、と思ったのだ。