【コラボ】ブラック・メール
織田・甲斐両家の式の担当はまりあだ。
もしかすると、まりあに何らかの恨みがあって、そのような嫌がらせをしているのではないか。
そう思った。
身内贔屓と思われても構わない。
彼女は美人であり、仕事もできる。
そういう女性はねたみやひがみの対象になりやすいだろう。
カップに塗られたのが本当に青酸だったかは、まだわかっていない。
しかし、そうかもしれないと思わせるだけでも、相手にダメージを与えることはできる。
その証拠に、まりあはここ数日、目に見えて憔悴していた。
「当日が来れば、わかることだ。
たちの悪いイタズラであることを祈ろう」
「……っ……」
「……心配だな。でも大丈夫だ。
俺も、あの猫とやらもいるだろう?」
泣きそうになったまりあを抱きしめ、瑛は小さく息をついた。
狙われているのはまりあかもしれない。
そんなこと、いえるわけがなかった。