【コラボ】ブラック・メール
「……もう、頭がぐちゃぐちゃだよ。
犯人はどうして、こんなことするんだろう。
他人の幸せを壊したからって、自分が幸せになれるわけないのに。
それに、織田様だって……」
「?新郎がどうかしたか?」
「っ、なんでもない」
まりあはハッと我に返ったような表情をし、瑛から体を離す。
「あ、あの、冷めないうちにご飯食べましょう。
せっかく早く帰ってきてくれたんだから」
「ああ……」
明らかに何かあったな。
瑛は確信した。
しかしまりあは仕事のこととなると強情で、客に不利なことは滅多に口にしない。
仕方がない。式はもうすぐだし、そこで全て明らかになるだろう。
瑛は「あまり溜め込むなよ」と彼女の頭をなで、久しぶりの作りたての夕食に箸を伸ばした。