【コラボ】ブラック・メール
解決
いよいよ、結婚式当日。
まりあは早朝からいつもより気合を入れたメイクをし、瑛と共に式場へ向かった。
空が晴れていて、少しだけほっとする。
雨が降ってしまうと、新婦が希望していた庭でのウェディングケーキ入刀が、できなくなってしまう。
無論、夏だと晴れて熱いとケーキが悪くなってしまうので、逆にできないのだが。
バックヤードに入ろうとした瞬間、瑛のポケットのスマホがうなった。
「俺だ。ああ……。
そうか、わかった。ご苦労だったな」
顔を見ると、瑛は電話を切り、まりあに告げた。
「新婦の元恋人は犯人じゃない」
「えっ」
「今朝出されたゴミから、書き損じの婚姻届が見つかったらしい。
どうやら、他に真剣に付き合っている女性がいるようだ。
こんな嫌がらせをしている暇はないだろう」