【コラボ】ブラック・メール
爆発物を持ったまま立ち去ろうとするノーヴェを止めていると、
瑛に寄りかかっていたまりあが、一歩前へ出た。
「ふざけないでよ……っ」
まりあは大きな目に涙をため、怒りで赤くした顔で織田をにらみつけた。
「全部なかったことになんて、できるわけないでしょう!!」
まりあに怒鳴られて、織田はびくりと体を震わせた。
「さっき仰いましたよね。
甲斐様も、あなたを本気で愛していないと。
どうして、そう思うんですか?」
「あいつは……あいつは、自分から俺につきあってくれと言いながら、元彼とも会っていたんだ。
元彼の方が顔がいいし、背も高いし、趣味も多彩で……僕が勝っているのは、年収くらいのものだ。
洋子は僕のお金がほしいだけだ。いい暮らしをしたいだけだ。
愛してるのは、元彼に違いないんだ」
「それは、元恋人がなかなか別れてくれなかったからだ。
新婦はちゃんと話し合うために、彼と会っていた」