【コラボ】ブラック・メール
「お前に何かあったら、あのアホンダラ、殺してまうところやった」
「あんな簡単な爆弾で、死んだりしない」
「……そう、ですか。
それにしても、樹のドレス姿、綺麗やったなあ」
「……そう」
本当に、綺麗だった。
あんな状況でなければ、写メをメモリがパンクするまで撮り、キレられるまでぎゅうぎゅうしたかった。
そう思ったからそう言っただけだが、ノーヴェの口の端に、かすかな微笑が見えた。
「……樹」
「なに」
「俺らは、幸せになろうな?
俺、がんばるから」
空いていたノーヴェの手を取ると、彼女は薄い微笑を保ったまま、小さく言った。
「俺ら『も』でしょ」
と。