【コラボ】ブラック・メール
「……まりあ」
ベッドのふちに、瑛が座る。
突っ伏していたまりあの背にその声がかかり、彼女はそれだけで泣きそうになってしまった。
幸せに見えていても、その実体は本人にしかわからない。
自分は、瑛の信用に足る人間だろうか。
自分は、瑛を一生信じていけるだろうか。
いつか、あんなふうに簡単に歪んでしまう日が来たら、どうしよう。
まりあはがばりと飛び起き、瑛にしがみついた。
「……お疲れ」
瑛が、まりあの頭を優しくなでる。
「う、え……っ」
とうとう、我慢していた涙が溢れ出してしまった。