小悪魔ちゃん
小悪魔ちゃん
「悠~!!
おっはー!!」
朝、教室に入ると友達に飛び付かれた。
「はいはい……おはよ」
それを軽くかわしながら、俺は席に着く。
高校二年生、秋。
特に何か変わったことが起こることもなく、俺の高校生活は半分を切った。
「悠ー!」
保坂悠―ホサカ ユウ―
それが俺の名前。
「俺の愛の抱擁をかわすなんて!!
悠ちゃんったらひどいわ!」
このうるさい奴が毎度毎度俺に飛びついてくる友達
杉田馨―スギタ カオル―
いつも騒がしい、元気な奴。
< 1 / 71 >