小悪魔ちゃん
「保坂君、おはよー」
「お、悠!
今日帰りにカラオケ行かね?」
「悠君、勉強教えて~」
馨に絡まれていると、俺の周りに数人のクラスメートが集まってきた。
「おぉ、さすが悠。
人気者だな」
「そんなことねぇよ」
「あぁ、そっか!
悠ちゃんはどんなに人気者でも馨君といるのが一番だもんな!」
「……それもない」
「えぇー!!」
まぁ、コイツは一番の親友だと思ってるけど。
本人に言うと調子に乗るから言わない。
「ね、そういえば聞いた?
桃、今度はサッカー部のキャプテンをオトしたらしいよ」
「え!?
あのイケメンを!?」
「あー、それ俺も聞いた。
でもフッたんだろ?」
「けど、あのキャプテンって前々から安西のこと好きとか言ってたもんな」
「でも、さすが桃だよね~。
どんな男でもオトせるんじゃない?」
俺の机の周りでそんなことを話すクラスメート達。
「ウチのクラスの小悪魔ちゃんは最強だな」
小悪魔ちゃん……。
そう呼ばれる女子生徒が、ウチのクラスにいる。