小悪魔ちゃん
「いい加減白状しなさいよ!」
だから、知らないんだって……。
そう言っても信じてもらえない。
……どうしろっていうの。
あたしは何も……してないのに。
「アンタ、本当ムカつく……っ!」
こっちからしたら、無実のあたしを犯人扱いするあなたの方がムカつくんだけど。
……そんなことを思ってる間に相手の女が拳を振り上げた。
っ……マズい、殴られる……。
そう思って、咄嗟に顔を横に向けた……その瞬間。
「何だ?
まだ残ってるヤツがいるのか?」
教室の外から先生の声が聞こえた……。
「ヤバッ、先生だ……」
「逃げよ!」
三人の女子達は床に置いてあったカバンを手に取ると、そそくさと教室から出ていった。
「何なの……もう……」
……あたしは壁に背を預けたまま、ズルズルと力が抜けるように床に座り込んだ。
……本当に……あたしが何したっていうの。
何でこんなこと……。
……あたしは誰もいなくなった教室で静かに涙を流した。