叶う恋はこの世になくて...
新学期が始まって早2日。
私は未だに渡瀬とは一言も喋っていない。周りの席の子とは少しずつ話をできるようになってはいるけれど、渡瀬には話しかけられずにいた。
そんときだった。
「ねー、藍未。」
香菜が私のクラスまでやってきた。
「渡瀬とさ、仲良くなって!」
「え?なんで?」
突然の香菜の願いに私はびっくりしていた。
香菜はどちらかといえば、嫉妬深いほうだ。
私が渡瀬と仲良くするのは嫌だろうと思っていた。
「今、香菜全然渡瀬と交流ないの。
藍未が仲良くなってくれたら、話しかけれるかもしれないし!
それに、藍未なら、信用できるし。」
香菜のお願いに私は渋々OKをだした。